全員が60歳以上。シニア劇団「すずしろ」がNY公演を実現した奇跡
最近は60歳を過ぎても、パワフルに活動を続けるシニア層の方も少なくありませんよね。スポーツや語学、あるいは劇団活動。シニア世代のみのメンバーで活動する「シニア劇団」が全国各地に存在しているそうです。
その中でも大阪府箕面市の劇団「すずしろ」はあのショービジネスの本場マンハッタンで単独公演を成功させるほどの人気ぶりだそうです!彼らはいかにしてこの奇跡の公演を実現したのでしょうか?
主役は60歳以上。NY公演に挑んだシニア劇団「すずしろ」、7月に公演。
現在、日本にはシニア劇団が100以上あるとか。全国で活躍中のシニア劇団を紹介するサイト「シニア演劇Web」も存在する。アクティブシニアの劇団が、街の活性化にある種の役割を果たしていることも忘れてはならない。
そんなシニア劇団は数あれど、ニューヨークで公演を行ったことのある劇団はそうそうないはず。その偉業を達成したのが、大阪府箕面市の劇団「すずしろ」だ。
時は2010年6月12日・13日、会場はマンハッタンのジューン・ハポック・シアター。ここで、劇団「すずしろ」による「Smoke Gets In Your Eyes(煙が目にしみる)」が上演された。参加の劇団員は、代表の秋田啓子さん(73歳)をはじめとして、全員が60代以上。しかも、せっかくNYなんだからと、英語版も上演した。
公演前は、プロでも難しいのに、シニアのアマチュアがやる芝居なんか見に来る人はいないと言われた。ところが、蓋を開けてみると、チケットは完売。オフブロードウェイの100人でいっぱいになる劇場だったが、地元の新聞やフリーペーパーで紹介された結果、観客はニューヨーカーが4割を占めた。
NY公演を言い出したのは、指導者の倉田操さん(41歳)だ。「シニアが演劇をやっている」程度では面白くないという友人の意見を受け、「どうせやるなら、大きな夢を見ませんか」と提案したのだ。しかし、当然ながら、猛反対にあう。
「なにがブロードウェイやねん!」
しかし、次第に、皆もその気になっていった。
「一生に1回くらい、夢をみてもいいのではないか」。
そんな劇団員の思いを受けて、倉田さんは実現へ向かって大奮闘! 紆余曲折がありながらも、ついに目的を達成することができたという。